着物生地の素材判別で商品魅力向上
宮城県亘理町に拠点を置き,着物生地のリメイクによる小物やアクセサリーを製造・販売する株式会社WATALIS。 着物生地を使用した商品はすべて地元亘理町の女性たちによるハンドメイドです。
今回は,同社が産業技術総合センター(以下,センター)の開放機器を利用して行った着物生地の素材判別について伺いました。
(取材日 平成31年1月18日)
着物生地のアップサイクルによる商品化
同社は箪笥に眠る着物生地をリメイクし,価値を高めて再び世に出す「アップサイクル」による商品化を行っています。
「ものを再生して使っていくという生き方,暮らし方を再現して伝えていくアイテムとして取り組んでいます」(引地氏)
「着物生地には,素材としての価値だけでなく,様々なストーリーがある。使えるものに変えていきたい」(引地氏)
着物生地の素材判別
同社が扱う着物生地は,買い付けや寄付などさまざま形で着物として入手するため,反物にはある素材表記がなく,素材の確認ができないことが多い。
「質感や感触等で絹を見分けてきましたが,自分たちだけで判別することに限界を感じていました」(引地氏)
相談先を探していたところ,宮城県庁の職員からの情報提供をきっかけにセンターを利用することになりました。
「センターの存在は知っていましたが,違う分野の会社が利用するところと思っていました」(引地氏)
「技術改善支援」と「施設機器開放」を利用し,センターが評価方法の提案と解析の支援を行い,引地氏自らセンターの分析機器(赤外分光分析装置,マイクロスコープ)を使用して測定しました。
「理屈が分かって使えるように噛み砕いて説明してくださったので,助かりました」(引地氏)
測定により着物生地の素材の情報を得ることができました。
「シルク」の表示をした製品
「シルク」の表示をした製品の写真
「測定結果とその他の情報を併せ,絹であることを確認できた着物生地を使用した商品には『シルク』の表示をして販売できるようになりました」(引地氏)
センターに期待すること
「私がそうだったように,自分の分野では相談できないのではないかと考えている人がいるかもしれません。もっとたくさんの方がセンターを活用するようになれば良いと思います。素晴らしい設備があり,支援してくださる人もいるので」(引地氏)
株式会社WATALISは,亘理町からシルクを発信していきます。
会社概要
所在地 | 郵便番号989-2351 宮城県亘理郡亘理町字中町22番 |
ウェブサイト | http://watalis.co.jp/ |
電話,FAX | 電話 0223-23-1975,FAX 0223-23-1975 |
代表取締役 | 引地 恵 |
創業 | 平成27年5月15日 |
従業員数 | 2人 |
資本金 | 210万円 |
主な事業 | 着物地によるリメイク雑貨の製造販売 |