メタサーフェスデバイスの研究

更新日: 2024年12月10日
 

 無線通信の利用は、スマートフォン等の通信機器の普及に伴い、通話だけでなく情報検索、娯楽、決済手段として生活様式にまで拡大されQOL(Quality of life)の向上に貢献している。一方、急速なスマートフォンなどの携帯端末の普及は、データ量の世界的な利用増加、情報のボーダレス化も重なり、4Gの規格の周波数帯域の利用のままでは、データ通信に係る速度遅延による質の低下が考えられる。この課題には、高速データ通信化および大容量化技術が欠かせなく、5Gに見られる新たな周波数帯の活用としてミリ波の研究および応用展開が急がれている1)
 しかし、5G等に使用される高い周波数帯域の電波は、到達距離が数十から数百メートル2)などと短いことと、指向性が増すことから建物などの陰の部分に電波の回り込みが出来ない特有の課題がある。これらの対応には、目的の角度に反射する機能を持ったアンテナをある間隔ごとに必要であると言われており、この機能性を持たせるには、メタサーフェスを活用したアンテナが有効との研究報告がされている3)、4)、5)。また、応用展開には、メタサーフェスの機能を発現するためには何が寄与しているかなどの関係性の把握が必要である。本研究では、メタサーフェスの機能を発現するためのディメンジョンと反射角度の関係性を明らかにすることを目的とする。
 今年度は、各論文からグラジェントメタサーフェスをモチーフとして、電磁界シミュレーション(HFSS)を用いて機能が発現するパターンを推測し、その結果から機能評価用サンプルを作製し、フリースペース法によりサンプルに垂直に電波を照射し反射された角度を計測した結果、目的どおりの機能が確認できたので報告する。

※1), 2), 3), 4), 5) 引用元は研究報告内に記載しています。

【県単独試験研究 令和4年度~令和5年度】/ 技術シーズ(令和5年度終了課題)

取組内容を1分程度で紹介します。

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