機能性ナノ粒子の開発

更新日: 2022年5月9日
 

研究テーマ名:コアシェル構造を有した機能性ナノ粒子の開発

 樹脂の断熱性向上等の産業応用において着目されている中空構造ナノ粒子の作製を試みた。中空構造ナノ粒子が,(1) コアとなるマグネタイトナノ粒子の調製,(2) コア粒子表面へのシリカコーティング,(3)塩酸によるコア粒子のエッチングの工程によって得られることについて一定の可能性が示された。一方で,最終工程である塩酸によるコア粒子のエッチングが十分でないことに伴い,中空構造になっていない粒子が多く残ることもわかった。

 

研究テーマ名:ナノ粒子の合成と機能性薄膜への応用

 粒子径や形態の制御性に優れ,大量合成に向いている液相合成法によって,マグネタイトナノ粒子を3リットルフラスコで調製し,形態観察,磁気特性評価および収量計測を行った。粒子は球状であり,粒子径は平均12.1nm,最大16.2nm,最小8.4nmであった。磁化曲線(最大印加外部磁場10 kOe)から,飽和磁化が66 emu/g,保磁力が1.6 Oeであることを示した。また1回の合成で得られた粒子の総質量は14.7グラムであった。