概要
近年注目を集めるAM(Additive Manufacturing)技術において,3D形状生成の自動化は大きな有用性があります。アルゴリズムによる形状の自動生成化技術,パラメトリックデザインは3Dプリンター技術の発展とともに注目され,現在では,AM分野では必須の技術となりつつあります。
本研修では,3次元CADである「Rhinoceros(ライノセラス)」のグラフィカル・アルゴリズム・エディターである「Grasshopper(グラスホッパー)」を用いた,パラメトリックデザインの考え方解説及び実習を行います。Grasshopperは,文字によるプログラミングを必要とせず,視覚的にわかりやすい操作インタフェースによって,美しい立体形状を生成することができ,この考え方は,多様な3次元CADでのデザインや構造化設計に応用が可能となります。
Rhinocerosの操作に不安のある方,ZoomやOBS Studioの設定に不安のある方には,事前に個別の操作練習会を行いますので,ご参加ください。皆様の受講をお待ちしております。
※受講環境に技術的条件がありますので,御理解の上,お申し込みください。
パラメトリックデザインとは
3次元CADでの形状の寸法などを,変数に格納することで,数式による自動形状生成を目的とする設計手法です。トポロジー最適化やラティス(3次元的格子)構造設計などとも関連性が高く,製品性能とデザイン性を両立させる形状を作り出すことができます。3Dプリンターによる製品製造が現実化する昨今,注目を集める手法です。
プログラム
10:00~12:00 Rhinoceros 基礎講座 ※参加自由/Rhinoceros初級者向けの講座です。既にRhinocerosの操作知識があり、基礎講座が不要な方は午後の部からご参加ください。
・Rhinocerosとは
・Rhinocerosの基本操作,活用分野,応用例の紹介
12:00~13:00 昼休憩
13:00~17:00 Grasshopper 講座
・パラメトリックデザイン概論
・パラメトリックデザインの基本的な考え方,アルゴリズムとは,パラメトリックデザインの活用分野
・Rhinoceros「Grasshopper」による設計手法
・Rhinocerosの操作解説,Grasshopperの操作解説,パラメトリックデザイン実習
※例年対面形式で行っていた,みやぎデジタルエンジニアリングセンター「パラメトリックデザインコース」の短縮版の内容になります。以前にご受講いただいた方は,内容が重複しますが,復習目的でもご参加いただけます。
オンライン研修の様子
実施内容のレベル
Grasshopperの使い始めの基礎トレーニングを行います。
- Rhinocerosの使用経験があるけれど,Grasshopperは初めての方
- アルゴリズムによる形状自動生成に興味のある方
に向いています。Rhinocerosについて操作が不安な方,環境設定について不安のある方は事前にオンライン予習会を行います。できる限りご参加下さい。お申し込みいただいた方に詳細な時間等をお知らせいたします。
実施環境
Rhinoceros7,Grasshopper,OBS Studio(+VirtualCam),インターネット環境
研修の際には,実際に皆さまにお持ちのRhinocerosとGrasshopperの操作をしていただきますので,Rhinocerosを操作できる環境をご用意下さい。
受講にあたっての技術的条件
- Rhinoceros7の動作環境をお持ちで,研修当日問題なく動作すること。
- 表示ディスプレイが2台接続されていること。(ノートPCの画面+外部ディスプレイでも大丈夫です。)自分の操作画面と,講師画面を見るために必要です。
- 講義はWindows環境で行いますが,Macの環境でも受講は可能です。ただ,その場合,操作画面表示が異なる場合がありますので,Windows表示環境に近くなる設定にしておくことをおすすめします。
- OBS StudioとそのプラグインであるVirtualCamを使用して,講師の皆様の画面を講師が閲覧しながら進捗具合を見て最適な講義を進行します。OBS StudioとVirtualCamの設定方法はこちらのURLなどでご確認ください。
「OBS Studio」オープンソースで開発されているクロスプラットフォーム対応のライブ配信ツール – 窓の杜
他のカメラ仮想化ソフトウェアをお使いの方はそちらをお使いいただいても構いません。
- 各参加者の操作画面は,研修実施中は,全受講者が相互に閲覧可能になります。
- 環境準備が難しい方はご相談ください。
研修講師
FabLabSENDAI – FLAT エンジニア 大網 拓真 氏
九州大学大学院芸術工学部デザインストラテジー専攻修了後,オランダ,アイスランド等のデジタル製作工房でのインターンシップを経験。その後,様々な加工設備を備える仙台市内の「FabLabSENDAI – FLAT」にて,技術的なサポートや工房運営を行う。海外連携セミナーなども多数実施している。
2016年より、東北芸術工科大学非常勤講師、宮城大学非常勤講師。
2021年より京都芸術大学非常勤講師。
お申し込み
こちらから受講申込書をダウンロードし,必要事項を記入した上で,下記までメールまたはFAXにてお申込ください。
受講申込書ダウンロード
定員になり次第申し込みを終了させていただきます。
FAXでのお申込み
メールでのお申込み
メールでも受付けております。メールの件名を「パラメトリックデザイン申し込み」とし,申込書を添付して,下記まで送信してください。
受講,申込みにあたってのQ&A
Q: カメラ,マイクの準備は必要ですか?
A: このセミナーは,カメラ,マイクともに必須ではありませんが,質問内容を伝えるのにマイクがあると便利です。Q: なぜディスプレイが2台必要ですか?
A: 今回用いるGrasshopperというソフトウェアは,Rhinocerosのソフト上で動く開発環境になります。Grasshopper起動中は,Rhinocerosの3D表示の画面と,Grasshopperの開発画面を同時表示し操作していただきます。また,講師からの説明画面の表示も,同様にRhinocerosとGrasshopperの画面にて,細かな文字などを表示しますので,多くの表示領域が必要となります。
そのため,最低でも2つの画面が必要となります。この環境整備が困難な場合はご相談下さい。
Q: OBS Studioとは何ですか?
A: 映像を合成するためのフリーソフトウェアです。
インストールしていただくことで,講師が受講者の皆様の進捗状況を確認しながら,講義進行を適切に行います。インストールができない方や,インストールを希望しない方は,インストールしなくとも受講できます。
OBSStudioのインストールページはこちら
https://obsproject.com/ja/download
OBS Studioをインストールされた方は,OBSStudioの「ソース」から「+」を押して「ウィンドウキャプチャ」を追加し,「Rhinoceros」と「Grasshopper」のウィンドウを追加してください。そして,Zoomのカメラ設定で,「OBS Camera」を選択してください。
この一連の操作に関しては,事前に操作練習会を開催しますので,その際お伝えいたします。
Q: Rhinocerosのバージョンは7のみですか?
A: 最新版はバージョン7ですが,バージョン6をインストールされている場合でも,受講いただけます。若干の見た目や機能の違いはありますが,本研修においては,6と7で異なる機能は用いません。
Q: Rhinocerosを保有していませんが受講できますか?
A: Rhinoceros販売元のサイトから評価版がダウンロードできますので,その有効期間内にご受講ください。
Q: 対応OSはWindowsのみですか?
A: RhinocerosはMacでも動作しますが,操作画面が異なることから,Windowsのみの対応とさせていただきます。