衝撃試験機の御案内

更新日: 2023年4月4日
 

電子応用技術開発班

特徴

  • 圧縮空気により試験テーブルを本体に衝突させ,試験テーブル上に固定した供試体に衝撃を与える装置です。
  • MIL,JIS,IEC等の衝撃波形(正弦半波)の試験ができます。
  • 衝撃波形のSRS解析ができます。
  • 小型防音室の中に衝撃試験機本体が設置されているため,安全に試験を行うことができます。また小型防音室外から供試品用の電源ケーブルや信号ケーブルを引き込むことができます。
  • 4chの衝撃加速度計測ができます。
衝撃試験機のシステム構成図
図ー1 システム構成図

外観と原理

衝撃試験機の外観写真
図-2 外観写真
衝撃試験機の原理図
図-3 衝撃発生の原理図

利用料金

  • 機器使用前に、供試品のサイズ、重量、治具の詳細、衝撃条件(加速度、作用時間、波形など)をお伺いします。
  • 装置の利用料金の他に,安全に使用するための機器の設定・操作を行う為の研修料金または職員の支援手数料を頂いております。必要な支援の内容は、お客様毎に異なりますので、詳しくはお尋ねください。
機器使用料 1時間あたり700円
研究員技術的支援手数料 支援職員1人・1時間あたり3,900円
(いずれも時間外は2割増・100円未満の端数が出た場合は切り上げ)

仕様

表-1 衝撃試験機の仕様

項目 内容
形式SM-110-MP
メーカーAVEX
最終落下速度1,016cm/sec(無負荷) 723cm/sec(68kg負荷時)
適合規格MIL 810 MIL 202 JIS C0041:1987 JIS C60068-2-27:2011等
最大重量垂直落下方向のみ
サイコロ治具を使用し,取付面を切り替えることで垂直・水平方向の衝撃が可能※2
加速度測定加速度上限 5000G(2個) 2500G(2個) 500G(2個)
チャンネル数:3
但し,治具の加速度計測用に1チャンネル使用
加速度センサー外形図
注意※
  1. 加速度と作用時間の組合せが限られています。詳しくは表-2を参照してください
  2. 試験可能な供試体の大きさに制限があります。詳しくは「試験の実施可否の判断」,「供試品取り付け治具」を参照してください

実施可能な試験の種類

  • サイコロ治具に取り付けた場合に実施できる標準条件は表-2の通りです。なお供試品と供試品取付け治具の重量,大きさ及び試験条件により実施出来ない場合があります。
  • 標準条件以外の試験も可能な場合がありますので御相談下さい。重量によって発生できる加速度,作用時間が異なるため,ダミーウェイトを用いて試験を行うことも可能です。試験前に御相談ください。
  • 正弦半波を印加して実施するため,SRS波試験では低周波数で加速度レベルが過大になる場合があります。試験前に御相談ください。(正弦半波パルスのSRS曲線は,JIS C 60068-2-27:2011 付属書A 図A.1 を参照してください。)

表-2 サイコロ治具使用時の標準条件

試験の実施可否の判断

  • 試験の可否は以下の条件から判断いたします。
    1. 供試品およびお客様の供試品取付け治具の総重量は、70kg以下であること。
    2. 治具(サイコロ治具を含む)と供試品の重心は、資料台中心から2.5cm以内に位置すること。
    3. 加速度が700G (6,860m/s2)以下であること。
    4. 作用時間が仕様範囲内であること。
    5. 供試品がテーブルまたはサイコロ治具の取付面からはみ出すことなく,供試品と供試品取付け治具の高さ合計が500mm以下であること。

供試品取り付け治具

  • 供試品を衝撃試験機に固定するための取付け治具(供試品取付け治具)はお客様に御用意いただきます。供試品取付け治具は衝撃試験機の試験テーブルまたはサイコロ治具に固定されます。
  • 供試品取付け治具の剛性に問題がある場合、正しい試験が実施できないだけでなく、場合によっては大変危険です。また供試品に比べて供試品取付け治具の剛性が同程度以下の場合、適正な衝撃加速度を加える事ができなくなります。
  • 衝撃試験機-供試品取付け治具の締結には,加わる力を正確に把握して強度を確保できる取付ボルトの本数を決定する必要があります。取付ボルトについては表-3を参照してください。
  • 衝撃加速度を測定するため,供試品または供試品取付け治具に加速度ピックアップを取り付けるためのM6のボルト穴が必要です。ボルト穴は落下方向と平行にしてください。また加速度ピックアップのケーブルは センサー上方につくので取付面より60mm以上確保してください。
  • 加速度は加速度ピックアップを取り付けた場所の加速度です。加速度が大きくなると,供試品にかかっている加速度と一致しない傾向が顕著となりますので御注意下さい。供試品の加速度を測定したい場合には,供試品に直接加速度ピックアップを取り付ける必要があります。
  • 供試品への衝撃印加方向を設定する方法は,表-3, 図-4および試験方法例を参照して下さい。

表-3  供試品取付け治具の固定方法

供試品取付け治具を
固定する部分の名称
図面取付ボルト
試験テーブル図面
> 供試品側の取付面最大寸法:400×400mm
> 治具の取付穴直径は3/8インチ(約9.6mm)
> -Z方向の試験が可能
3/8-16UNC六角穴付きボルト
(長さは治具の厚さ+20mm程度)
サイコロ治具 図面
> 供試品側の取付面最大寸法 :160×160mm
> 治具の取付穴直径は8mm(M8ボルト用)
> -Z,±X,±Y方向の試験が可能,裏返しで固定できれば+Z方向も可能です
M8 六角穴付きボルト
(長さは治具の厚さ+20mm程度)
サイコロ治具
アダプタプレート
図面
> 供試品側の取付面最大寸法 : 160×160mm
> 治具の取付穴直径は5mm(M5ボルト用)
> ±X,±Y方向:アダプタプレート取付方向を180°回転する
> ±Z方向:アダプタプレートを裏返す
  ただし,+Z方向では供試品の大きさに制限があります。 (試験方法例 )
  φ100mmまたはH95mmを超える供試品は取り付けできません。
M5 六角穴付きボルト
(長さは治具の厚さ+10mm程度)
加振方向設定方法の図
図-4 加振方向設定方法

使用手続き

  1. 御使用される場合、所定の手続きが必要となります。
  2. 「施設等使用条件」のもと,御使用できます。
  3. 利用フロー
    1. 技術相談:ご希望の試験の内容についてお打合せを行ってください。
    2. 使用したい施設、機器及び日程の予約を行って下さい。
    3. 申請書(全て申請書は押印が必要です。)のご提出と料金のお支払いを済ませてからの御利用となります。
      1. 施設等開放事業の場合⇒ 施設等使用申請書・報告書(報告書への押印もお忘れないようお願いします。):記入例
      2. 技術改善支援事業の場合⇒ 研究員技術的支援依頼書記入例
      3. 料金を後納する場合⇒ 後納申請書(機器開放の延長の場合はさらに1通必要となります。予備の用意をお奨めします。):記入例
      4. 延長する場合、御相談下さい。
      5. 御使用後の報告を願います。
    4. 手数料は、宮城県収入証紙(センター内計量協会で販売しています。)のほか後納も可能です。詳しくは御相談ください。

お問い合わせ先

宮城県産業技術総合センター機械電子情報技術部電子応用技術開発班
電話:022-377-8700
FAX:022-377-8712
E-mail:shindou@mit.pref.miyagi.jp

遠隔地でこのページを御覧いただいている方へ

遠隔地の方でも遠慮無くお問い合わせ下さい。なお問い合わせ頂いた方の最寄の都道府県立の公設試験場でも,衝撃試験機を所有している場合もございます。参考のために以下に列挙したしますので御活用下さい。

【近県で衝撃試験装置を所有している公設試】