更新日: 2022年3月4日
- 事業の概要
競輪の収益を財源とした(財)JKA(現:公益財団法人JKA)の平成23年度「公設工業試験研究所の設備拡充補助事業」により設備の拡充をおこないました。
- 補助事業の概要
宮城県には金属製品,セラミック製品,樹脂成形品などを製造する機械工業関連企業が集積しています。これらの企業においては,製品や材料の評価に熱物性測定は欠かすことができないものであり,宮城県産業技術総合センターには県内企業からの熱物性測定に関する相談が多く寄せられます。
この補助事業では,老朽化した熱分析システムを更新して基本機能を維持すると共に,近年求められる高精度な測定や従来対応不可能だった測定にも対応できるようにします。本事業で導入する熱分析システムを用いて,導入機器を利用した施設・機器開放事業・技術改善支援事業・技術研修事業・研究開発事業を通して、県内機械工業関連企業が行う適切な材料選定,自社製品や新規材料の評価,トラブル解決ならびに新製品の開発の支援に努めます。 - 予想される事業実施効果
県内機械工業関連企業が本事業の機器を利用することにより,新規材料の選定,製品の問題点や製造上のトラブル解決を図ることで,新製品の開発や効率的な製造ができるようになることが予想されます。
- 本事業により導入した設備
熱分析システム(TG/DTA,DSC,TMA,DMA)
設置場所【宮城県産業技術総合センター】
各種材料・製品の熱的特性(重量,熱量,寸法,粘弾性)を測定する機器。 - 機器概要
- 示差熱・熱重量同時測定装置(TG/DTA)
用途 温度変化に伴う重量変化の測定(熱分解,酸化,他) 仕様 - 天秤方式:デジタル水平差動型
- 常用温度:室温〜1300℃
- TG範囲:±400mg
- TG感度:0.2μg
- DTA範囲:±1000μV
- プログラム速度:0.01〜100℃/min.
- 最大試料量:200mg
- オートサンプラ
メーカー名 エスアイアイ・ナノテクノロジー(株) 型式 TG/DTA7300 - 示差走査熱量計(DSC)
用途 温度変化に伴う発熱・吸熱現象の測定(融点,ガラス点移転,他) 仕様 - 熱流計測方式:熱流束型
- 常用温度:-150〜500℃
- 測定範囲:±100mW
- 感度:0.1μW
- プログラム速度:0.01〜100℃/min.
- オートサンプラ
メーカー名 エスアイアイ・ナノテクノロジー(株) 型式 X-DSC7000 - 熱機械分析装置(TMA)
用途 温度変化に伴う寸法変化の測定(熱膨張,収縮,他) 仕様 - 試料管:石英製
- 常用温度:-150〜600℃
- TMA範囲:±5mm
- TMA感度:0.01μm
- 荷重範囲:±5.8N
- プログラム速度:0.01〜100℃/min.
メーカー名 エスアイアイ・ナノテクノロジー(株) 型式 TMA/SS7100 -
粘弾性測定装置(DMA)
用途 固体の動的粘弾性の測定 仕様 - 変形モード:引張り,曲げ
- 測定モード:動的測定(正弦波,合成波),静的測定
- 測定周波数:0.01〜200Hz
- 測定範囲:105〜1012Pa(引張り,曲げ)
- 測定温度範囲:-150〜600℃
- プログラム速度:0.01〜20℃/min.
- 最大力:±7.9N(動的力)
メーカー名 エスアイアイ・ナノテクノロジー(株) 型式 DMS6100
- 示差熱・熱重量同時測定装置(TG/DTA)
- お問合せ先
担当者 材料開発・分析技術部 分析技術応用班 TEL 022-377-8700 FAX 022-377-8712 E-Mail soudan-itim@pref.miyagi.lg.jp