平成20年度公設工業試験研究所の設備拡充補助事業について

更新日: 2022年4月5日
 

事業の概要

競輪の収益を財源とした財団法人JKA(現:公益財団法人JKA)の平成20年度「公設工業試験研究所の設備拡充補助事業」により設備の拡充をおこないました。

補助事業の概要

宮城県内の電気機械製造業を営む企業は、グローバルな競争激化といった事業環境の変化に立ち遅れないための努力を続けており、製品の高付加価値化・高機能化を目的としたIT化対応のために、EMC性能や耐環境性能を確保しつつ、デジタル化・信号の高速化・小型化・ネットワ−ク化・ワイヤレス化などの新たな技術課題に対応しようとしています。そのためには、EMC試験設備および環境試験設備の整備が急務となっていますが、県内中小企業においては機器整備に多額の費用を必要とするために独自に対応する事が難しい状況にあります。こうした課題に対応するために、宮城県では、県内の製造業の技術力向上を目指して、平成11年4月に宮城県産業技術総合センター(の拡充整備を行い、地域企業のニーズに応えてまいりました。しかしながら、放射イミュニティ試験(供試体の電子機器に所定の強度の電波を照射して誤動作しない事を確認する試験)に使用している装置の老朽化による故障が懸念される上に保守部品の入手が困難になっていること、試験の規格が拡充され6GHzまでの試験が要求されていることから、設備の更新が必要となりました。一方、熱衝撃試験につきましては、実施可否の問い合わせの相談が多いものの当該装置が設備されていないため企業のニーズに対応できない状況にありました。そこで、宮城県産業技術総合センターに「放射イミュニティ試験システム」と「熱衝撃試験機」を導入し、当該試験機能の拡充整備を実施しました。これらの設備は、施設機器開放事業・技術改善支援事業・技術研修事業・研究開発事業により県内の電気機械器具製造業、一般機械器具製造業、輸送機械器具製造業の企業の製品開発・評価のために利用されており、製品開発過程における品質確認試験が迅速かつ低コストでの実施が可能になりました。このような各種支援事業により当該業種の新製品開発を支援し、その振興に寄与しようとするものであります。

予想される事業実施効果

製品の品質確保のための技術支援が拡充され、企業の製品開発コスト低減が実現し機械装置類の開発が大いに促進されることが予想される。

本事業により導入した設備

放射イミュニティ試験システム

設置場所: 宮城県産業技術総合センター
電気機械機器/部品等が強力な電波で誤動作しない事を確認する放射イミュニティ試験を行う装置。

熱衝撃試験機

設置場所: 宮城県産業技術総合センター
電気機械機器/部品等が長期間に繰り返される温度昇降に耐え得る事を確認する熱衝撃試験を行う装置。

機器について

放射イミュニティ試験システム

仕様

仕様概要 メーカー 品番
型式
数量
周波数

電界強度
規格

80MHz-1000MHz
4GHz-6Hz
18V/m(CW,距離3mにて)
IEC 61000-4-3
パナソニックテクノトレーディング(株) MS−1101V他 一式

特徴

  • 平成11年に導入して部品劣化が進展し故障がちだった80MHz-1000MHz帯域用のアンプを更新できたため、安定した試験が実施可能となった。
  • 4-6GHzまでのアンプを新たに導入できたため、最新の試験規格で要求されている6GHzまでの放射イミュニティ試験が可能となった。

主な構成品

名称仕様概要メーカー品番
型式
数量写真
パワーアンプ1周波数
出力
80MHz-1000MHz
250W
EM POWERBBS2Q4AOQ1台パワーアンプ1
パワーアンプ2周波数
出力
4GHz-6GHz
50W
MILMEGAAS0206-501台パワーアンプ2(4GHz-6GHz用)とパワーメーター
パワーメーター周波数
入力
DC〜40GHz
2
Rohde&SchwarzNRVD1台
パワーセンサ原理
周波数
レンジ
50Ω系熱型パワーセンサ
0-18GHz
1μW-100mW
Rohde&SchwarzNRV-Z512台 
バイログアンテナ周波数
 
30MHz-2GHz
輸送ケース付
TESEQCBL6112D1器バイログアンテナとケース
ホーンアンテナ周波数
 
4-6GHz
輸送ケース付
SchwarzbeckBBHA9120D1器ホーンアンテナとケース
放射イミュニティ自動試験ソフトウェア自動測定対応パナソニックテクノトレーディング(株)MS-1101V1式 


お問合せ先

担当者:機械電子情報技術部 電子応用技術開発班
TEL:022-377-8700 FAX:022-377-8712
お問合せフォーム
e-mail: emc@pref.miyagi.lg.jp

熱衝撃試験機

仕様

仕様概要メーカー品番
型式
数量
切換方法
高温側さらし温度範囲
低温側さらし温度範囲
測定口
内寸法
供試品重量制限
棚板耐荷重
床耐荷重
冷熱風ダンパ切換方式
+60℃〜+200℃
0℃〜-65℃
角形,30×100mm 2カ所
W650×H500×D400mm

7.5kgまで
100kgまで
楠本化成NT1230A1式

特徴

  • 高温側 60〜200℃まで、低温側0〜-65℃までの温度環境を設定し、2ゾーン、3ゾーン試験ができます。
  • プログラム運転が可能です。
  • 測定口(20×70mm)から制御線/電源線などを通すことができます。
  • 試料温度によりさらし時間を制御することができます。
  • 低温室、恒温室、試験室、試料の温度をデジタルデータロガーにより記録することができます。
  • 測定データをUSBメモリに書き込みが出来ます。

お問い合わせ先

宮城県産業技術総合センター 機械電子情報技術部 電子応用技術開発班(振動試験・衝撃試験)/デバイス技術開発班(恒温槽・熱衝撃試験機)
TEL:022-377-8700
相談受付フォーム
E-mail: shindou@mit.pref.miyagi.jp
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