更新日: 2022年3月4日
<研究事業名> 新素材応用研究開発事業
<研究テーマ> リサイクル型高性能吸着プレート材の開発
<担当者名> 阿部一彦,斎藤雅弘
<目的>
半導体をはじめ多くの製造現場で使用されているワークの搬送・固定用としての真空吸着プレート材の性能向上のため,気孔分布を任意に制御した多孔質吸着プレート材を開発する。さらに,多孔質体製造に関する基盤技術を応用することにより,廃液や排ガスフィルターなどへの他用途展開も図る。
<内容および結果>
1. 概要
1.1 無機質系多孔質体の調査研究
昨年度に引き続き,他用途展開を踏まえた特許戦略の検討を行った。
1.2 吸着プレート材の第2次・第3次試作の完了
吸着プレート材の基本特性を維持して生産性,大型化,再現性などのFSを行った。
1.3 他用途探索及び試作
工作機械廃液処理用フィルターとディーゼル車用排ガスフィルターへの応用展開の可能性の探索を行った。
2. 結果
2.1 無機質系多孔質体の調査研究
排ガス及び廃液フィルターのスペックを明らかにした。
2.2 吸着プレート材の第2次・第3次試作の完了
(1) 丸型でφ200mm,角形で□100mmの一体物の試作に成功した。また吸着プレート用ベース台の最適化を行い,ステンレス多孔質体□50mmを9枚組み合わせることにより,□150mmの多分割方式の試作を行った(下図)。
(2) 厚さ方向に対して1バッチ10枚取りを行い,丸形で硬さのバラツキ3%以内,角形で5%以内と言う再現性の高い多孔質体の作製に成功した。
2.3 吸着プレート材以外の他用途探索及び試作
SiC原料粉末に対してY2O3を混合して3mm以上の造粒粉を作製し,仮焼結後にSPSによる本焼結プロセスを経て,ディーゼル車用排ガスフィルター材の第一次試作を行った。