ペプチド生成に関わる新たな麹の評価指標の探索

更新日: 2022年5月9日
 

研究テーマ名:仙台味噌における麹等の品質管理技術の確立

 長期熟成型の赤色系辛口米味噌である仙台味噌は,他の米味噌に比べ麹歩合が低く,米麹の産生する各種酵素がより呈味に影響を及ぼすものと推察される。今後,減塩や加工用味噌など多様な市場ニーズに対応するためには,品質コントロール力の向上が必要であるため,旨味成分であるアミノ酸・ペプチド生成に関わる麹の新たな評価指標を探索した。本研究では,プロテアーゼの中でも醤油のアミノ酸生成に深く関与していると報告のあった3)ジペプチジルペプチダーゼ(DPP)とトリペプチジルペプチダーゼ(TPP)に着目し,県内12社の味噌用麹に両活性があることを確認した。さらに,麹の酵素活性と味噌のアミノ酸の関係を確認するために,3社の麹を用いた小仕込みを実施した。麹のDPP,TPP活性と味噌のアミノ酸との相関は見出せなかったが,DPP,TPP活性は熟成中にそれぞれ異なる挙動を示すことがわかった。