地域特産物の特性制御技術の検討

更新日: 2023年2月17日
 

 宮城県の地域特産物である「かまぼこ」と「味噌」の製造技術について、以下の2テーマの研究を実施した。

【県単独試験研究 令和元年度~令和3年度】

(1)機能性油脂を保持したかまぼこの長期保存技術の開発

 水産練り製品の高付加価値化を目指し,国立大学法人東北大学と青葉化成(株)が開発した「粉末魚油」(架橋ゼラチンにより魚油を安定化させた粉末)を添加したかまぼこの製造技術の実証に平成29 年度から取り組んできた。本研究では,粉末魚油を添加した揚げかまぼこをレトルト殺菌(115℃,43 分)し,24℃,6 ヵ月間の保存試験を実施した。その結果,魚油に含まれる機能性成分のドコサヘキサエン酸(以下,DHA)は減少せず,物性や色調,香味も維持されることがわかった。

取組内容を1分程度で紹介します。

(2)減塩味噌の製造プロセスの検討

 仙台味噌は赤色系辛口味噌の一つであり,宮城県の特産物としても知られているが,近年の消費者の減塩志向より,減塩表示のある味噌の需要も高まっている。本研究では,仙台味噌らしい風味を持った減塩味噌を実現するため,塩分濃度が製造過程に与える影響を香り・味等の分析により明確化し,温度や熟成期間といった管理ポイントを抽出し,製造プロセスの最適化を試みた。
 目標とする塩分濃度(9%)で水分量を最適化(46%)したプロセスについて,中規模および製造規模での仕込試験を実施したところ,機器分析および官能評価において減塩味噌は仙台味噌と同程度の品質という評価を得られた。また,温度による味・香り等の品質特性の経時変化を存試験として実施したところ,保存期間4ヵ月時点で保存温度20℃では熟成が進み明度(Y%)が低下したが,保存温度15℃では大きな変化は見られず,特性が保たれていることが分かった。

取組内容を1分程度で紹介します。

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