2024年3月14日(木)、東北大学金属材料研究所にて、製造業におけるAM 活用セミナー「新たな製造技術 AMと品質」を開催しました。本セミナーでは、AM 技術を量産工程に適用するため、AM造形品の品質向上の取り組みを進めている企業の方々をお招きし、具体的な事例や品質の考え方などをお話し頂きました。
講演「三菱重工におけるガスタービンへのAM適用の取り組み」では、三菱重工業株式会社 エナジードメイン GTCC 事業部 高砂タービン製造部 部長(事業部長代理)片岡 正人氏より、AMで造形したガスタービンの部品を量産製品に適用するまでの道のりをお話し頂きました。AM造形機の導入にはじまり、造形物の品質を上げて維持するための取組み、AM適用部品の選定ポイント、AM適用のメリットなどを、実際の部品の写真や試験データなどを基に解説頂きました。
セミナーの後半では、AM分野での品質向上の取り組みを行っている企業の方々から、AM分野の「認証制度の概要」と「認証取得と運用」の視点でお話し頂きました。
AM分野での世界唯一の第三者認証機関であるテュフズードジャパン(本社ドイツ) の畝 竜哉氏からは、AM製造サイト(AM造形機を運用する工場などのこと)を対象とした品質保証のための国際標準規格 ISO/ASTM 52920の概要と、それに関連する認証取得のメリットを分かりやすく解説頂きました。
セミナー最後の講演は、AM専業受託造形サービスビューローとして国内で初めて「AM製造サイト認証(ISO/ASTM52920に準拠した認証)」を取得した日本積層造形株式会社代表取締役社長の大竹 卓也氏より、AM造形品の品質管理のために、どのように造形機を運用しているかお話し頂きました。また、同社の技術が小型月着陸実証機「SLIM」に活かされた事例も紹介され、参加者の方々は熱心に耳を傾けていました。
セミナー終了後も、参加者の方々は会場後方に設けられた展示ブースを囲み、講師やみやぎデジタルエンジニアリングセンター(宮城県産業総合センター)の職員とAM技術について情報交換を行いました。
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