2019年3月19(火)~20日(水)に,MDEデジタルエンジニア育成研修「パラメトリックデザインコース」を実施し,定員を超える8名の方に受講いただきました。
講師は,fablab SENDAI FLATの大網拓真さんにお願いし,パラメトリックデザインの国内・海外情報も織り交ぜながら解説していただきました。
パラメトリックデザインとは
「パラメトリックデザイン」とは,3次元CADにおける操作をプログラミングや,形状の連続生成などを設定して,自動的に形状変化をさせる技術です。
ここ近年,3Dプリンターの急速な普及や,AI技術,IoT等の進展によって,形状生成の自動化の必要性が増しています。
そこで,3次元CADと自動処理のための開発環境であるRhinoceros(ライノセラス)およびGrasshopper(グラスホッパー)を用いて研修を実施しました。
1日目のカリキュラム
- Rhinocerosの基本
- インターフェース
- 線→面→体
- 測定、分析、評価
- 移動、整列
- ガムボール
- Moveコマンド
- Alignコマンド
- 物体の足し算•引き算
- 回転体
- スイープ
- パラメトリックデザインとは
- Grasshopper基礎
これらの内容を,Rhinocerosを使ったことのない方でも,基礎からわかるように,Rhinocerosの基本操作からの講義を行いました。
その上で,RhinocerosとGrasshopperの関係,それぞれでできることなどの解説がなされました。
今回は,Rhinocerosは基本的な形状生成のみに用いて,主にGrasshopperの機能を使います。Grasshopperでは,グラフィカルなパーツを,画面上で線でつないでいくことで,自動処理のプログラムができあがっていきます。
この画面では,左側にRhinoceros,右側にGrasshopperのアプリを配置して,見比べながら動作を確認しています。
プログラムがリアルタイムに形状を生成していく様子を,みなさん興味深そうにしていました。
2日目のカリキュラム
- コンポーネント
- ジオメトリパラメータ
- Bake
- スライダーとパネル
- ツリー構造
- 課題
- ボロノイ分割
- 2D ボロノイ
- 3D ボロノイ
2日目は,このようなカリキュラムに基づいて実習していきました。
複雑な単一形状を連続生成する際に,ランダムで高さや幅を自動で変えながら生成していきます。
講師の大網さんが個別に丁寧に質問に答えます。
カリキュラムの最後では,3次曲面にボロノイ形状の穴を生成していきました。
この手法が習得できると,3次曲面に対して様々な形状生成ができるようになります。
受講生の方々は,Rhinocerosを操作したことの無い方がほとんどでしたが,最終的には3次曲面に対し複雑な穴形状を生成するまでの操作を習得できました。
プログラミングとは言っても,Grasshopperは,フローチャートを組み立てるようなプログラミングのため,動作概念がわかりやすく,また,効果をリアルタイムに把握できることから,間違いも発見しやすい開発環境です。
また,研修開始の前に,基礎的なRhinocerosとGrasshopperの基礎操作を学べる講習を産技センター職員を講師として実施しました。こちらも皆さんから好評でしたので,継続的に開催していく予定です。