「トポロジー最適化カンファレンス 2019」開催報告

更新日: 2022年2月28日
 

2019年3月4日(月)に,「トポロジー最適化カンファレンス 2019」を開催いたしました。

はじめに「趣旨説明とみやぎデジタルエンジニアリングセンターの紹介」

みやぎデジタルエンジニアリングセンター(MDE)の事業概要の説明と,本セミナーと展示イベントを実施した趣旨について産業業技術総合センター伊藤よりご説明をさせていただきました。
また,MDEが2018年度に実施した研究会,研修・セミナー,個別支援についてご報告いたしました。

講演Ⅰ「世界の最新事例紹介」

名古屋大学大学院 工学研究科 加藤 準治 教授

トポロジー最適化研究会の座長を務めていいただいた加藤先生より,世界の企業や学術機関の最新の取り組み事例について情報を提供して頂きました。 3Dプリンターの発展によりトポロジー最適化への注目は急激に高まり,宇宙・航空機業界や自動車業界はもちろん,建築業界でもトポロジー最適化技術を取りいれた設計が実際に行なわれているとのことです。

世界的にトポロジー最適化の技術者は不足していると言われており,日本も世界トップクラスのものづくりを続けていくために,トポロジー最適化設計を担える技術者の育成が急務であることを実感させられる講演内容でした。

講演Ⅱ「基礎数学で読み解くトポロジー最適化」

名古屋大学大学院 工学研究科 加藤 準治 教授

講演Ⅰに続いて加藤先生にご登壇頂き,トポロジー最適化を基礎数学の視点で読み解き,学術的な解説をしていただきました。 「トポロジー最適化」は,ある製品の利用条件の中で,もっとも効率の良い材料配置をシミュレーションを用いて見つける設計手法です。例えば,軽量で高強度の構造体を製作したり,部品の固有振動数を狙い通りに設計したりすることができます。 平易な視点から,噛み砕いて説明して頂いたことで,難解なトポロジー最適化技術への理解が進みました。

MDE研究会会員による技術展示およびショートプレゼン

MDE研究会会員の企業の皆様にトポロジー最適化に関する技術展示および,ショートプレゼンテーションを実施していただきました。

(順不同・敬称略)

みやぎデジタルエンジニアリングセンターの研究会の参画企業の皆様の中には,積極的にトポロジー最適化設計に関する情報収集を行い,既に製品開発に取り入れるアイデアを検討している方々もいらっしゃいました。
また,設計エンジニアが扱えるトポロジー最適化設計用のソフトウェアの紹介もしていただきました。
技術展示では,トポロジー最適化設計用のソフトウェアのデモや,3Dプリンターで製作したトポロジー最適化モデルなどが並び,参加者同士の意見交換・情報収集が活発に行われました。